次の SNS が始まっている -1

SNS の新しい動きが始まっている。
mixi のクローンがロングテールカーブに乗ってニッチ方向にスライドするようなものではなく, もっと根本的な変化だ。
現行の SNS システムには欠点があり, それでは補えない社会的要求が登場しつつある。また 同時にそれに応えるための動きも始まっている。
5 年後の SNS は今とは別の姿を示しているはずだ。
先に結論を言えば, 次世代の SNS は今の SNS との違いから "オープン SNS", "インフラ的な SNS" と呼べるものだ。そして web-wide system と user-centered がキーワードとなる。
以下, SNS の未来図を数回に分けて探ってみたい。


また, これを書く動機は,
ひとつは, 次世代社会または web での力関係, 支配構造についての興味と危惧から。
MS, Google, Amazon がインフラを握りその上でユーザが踊るのか, ユーザが選択権を握り MS, Google, Amazon といった巨人からスモールサービスまでを選択的に使うのか, そのどちらの社会を迎えるのかが気になっている。
もうひとつは SNS が社会基盤へと成長を遂げていく上で, このままでは日本国内も MS や Google の総取りになる可能性が強いが, 勿体無いのは日本国内の SNS も競争に参加すればそれなりにユニークなことが, 例えば真にオープンな Identity, SNS へのスイッチは欧米より日本のほうがやりやすいのではないかと思えることもあるからで, 世界に先駆けて事例を作り, 次世代をリードして欲しいと願う気持ちもある。

では進めていこう。

Introduction

現行の SNS には欠点がある。それが何なのか。また次の SNS を指向するモチベーションは何なのかを考えてみる。

まず欠点は, 今の SNShttp://example.com/ の空間で閉じた web アプリケーションのためだけのソーシャルネットワーク (以下 SN) であり, 他から使う手段が用意されていない (HTML をパースする等, 力技と規約次第で何でも出来るが以後考慮外)。

例えば mixi, gree で構築した SN は他のアプリケーションから使う事ができない。
先日 2hop 以内を対象とした宴会告知を mixi で行ったが, 案内を送りたいと思っても参加者を export する手段が無いためメールやメッセージングツールを使うことが出来ず不便な思いをした。

要するに現在の SNS の機能欠如は,
1. SN とサービスを分離していない,
2. SN の情報財化が為されていない,
の二点にある。

この問題を解決するには
1. SN とサービスを分離する,
2. SN を情報財化する,
ことだ。それが次の SNS を考えるポイントになる。

(つづく)