Programmable Environment, あるいは Interactive Environment

ちょっと必要になったのでブレストがわりに書き出してみる。tangible bit でもいいんだけど, もうちょい具体的な名前が欲しくなった。

Programmable Environment

(以下, 断定的に記述するけどオレオレ定義だったり自分でも疑ってる部分があるので注意)

19x0年代のコンピュータ革命は個人, 社会への, 例えば車のような, 基本ツール/基本基盤としての浸透だったが, 次のエポックは環境への浸透にある。
コンピュータのチープ革命, デバイスの桁単位での低価格化, 超小型化, ネットワークの空気化といった進展が促すのはユビキタスコンピューティングの世界で, より具体的に描いてみると, 物理空間のオブジェクトが情報デバイスの付与によって仮想空間上に現れる, といった世界になる。
物理空間オブジェクトが仮想空間オブジェクト化されるにはビルトインから材質への混在, オンデマンドな介在, 装置による観測と色々ある。
例えば, "オンデマンドな介在" とは遠隔手術ボットが介在してメスを握り, 結果的にメスが遠隔コントロールする, 胃カメラボットを飲んで胃内部を観察する, といったことを指す。紙幣への RFID チップの漉き込みや繊維への LED 折込は "材質への混在" で, 装置による観測は, 例えば東京タワーも衛星から観測, データ化されて GoogleMap で見れたりするのはこれも立派に "物理空間のオブジェクトを仮想空間にマッピングしている" といえる。
こういう状況が爆発的に進んで相互の世界がより細かく関わるようになって行き, 究極的には bit と atom が相互的に関わる世界が構築されていくと期待している。

AmibentDevices というベンチャー企業があり, 未来的な製品を出している。
例えば何かの外部入力を受けて色が変わる球状インテリアである AmbientOrb, 天気予報で降水確率が一定以上だと柄の色が変わる傘, といったものだ。
同じ bit 属性付与でも, GoogleMap や (最近スーパーで見かけるようになった) IC プライスタグと違うエキサイティングさを AmbientDevices 社の製品に感じるのは, それが Programmable だからだ。双方向的に関われる。

今はインテリアや傘, 冷蔵庫だけだが, これがどんどん進むとどうなるかを考えてちょっと SF して整理する。
例えば窓ガラスや床, 壁はディスプレイ装置になったり, 音響装置になることができるだろう。物理空間オブジェクトに対して情報機能の Mixin が発生すると思えばいい。
これを利用するのに個人や環境がコントローラ - コミュニケータと呼ぼう - を持っている。
例えば自宅の壁や椅子, コップといったオブジェクトが bit 属性を持っていたとして, 誰がそれを使えるのかコントロール権の適切な管理がなされる必要があるが, これを User-Centric に実現するためにコミュニケータがある。コミュニケータは利用可能なオブジェクトを自動的に検知して更新し, 必要に応じてコントロール権取得を, SNS やマイクロペイメントも使ってネゴシエーションする。

例を挙げまくってみる。
ライブをやっている空間に入り, 施設コミュニケータからの衣類へのアクセスを許すとライブに合わせて服が変わるとか。
避難経路を示す道路。
商業施設, 居住空間 (共同スペースのある集合型がいい) でのインタラクティブな Environment。
空間接続。
カレンダー。
カロリー計算おぼん。
物理空間クローラ。
変形するファニチャー。

TODO

  • 共有について考える必要がある。こうなってくると色々なもののスマートな共有が進んで都市空間を劇的に変える可能性がある。
  • 精査する必要がある。たとえば視覚や聴覚といった感覚にプロキシをかませて (ダイノバイザーみたいな 3D グラスとか) オーバーレイすれば, 仮想空間へのマッピングとそれを操る Programmable な部分とは別物になってくるかもしれない。
  • ルール (法律から住人規約まで) のコード化とコミュニケータ。
  • User-Centric であるかどうかは極めて大事だろう。
  • SNS を概念発展させる。trusted network と anonymous network 双方の存在と機能。
  • 実は機能の Mixin よりアプリケーション憑依かも知れない。例えば壁が cowriting board になるのは。
  • "色を変える" の次に実現できるもの。