昨年度 最もグレートな記事は「デジタル家電は web サービス型になる」

はてブコメントを楽しみにしていたのに予想外に反響が少ない! 寂しいので昨年ボツったネタながら引っ張り戻してみた。

2005 年度, 最もグレートでビッグな文章は「デジタル家電は今後,Webサービス型になる」, これ。
離職動機にもなった "what is web2.0" を挙げたいところだが, その先にあるより広大な開拓地に踏み込んだこの文章が自分の中では一番で, web の未来がここには詰まっていると思う。
 
中でも "iPod は最初の大成功した web サービス型家電" の一言は特に象徴的で, web/社会の新しいタームが始まっている事を強く認識させてくれる, この文章の位置づけを表しているものだ。
web サービス型になると何が変わるのか, 価値や構造のシフトが具体的に示されている点も興味深い。個人的にはハードウェアのコモディティ化が長所に転換されている下りがいい。
 
と紹介ばかりではつまらないので一点添えておくと,

(ユーザの価値認識がサービスに移っているとそのサービスとバンドルされた) iPod以外選べなくなる。
(そのスパイラルを育てることで消費者は) なおさら離れにくくなる。

ここは自分で考える余地がある (もしくは記述に込められた意味を汲みきれていないか) と思っているところだ。
(文章の意図は家電が web サービス型にシフトすることで消費者行動やルールが変わることを指摘していてここだけピックアップすると話がわき道に逸れるかも知れないが)
初期に於いては色々な価値やサービスが web サービス型としてネットワークを内包したハードウェア + ソフトウェアの形に組みなおされるが, ソフトウェアへのシフトが更に進み, 最終的にソフトウェア優位からサービスとハードウェアは縦の関係からむしろ水平に分割されるように転じると思っている。場や状況に応じた多様なクライアント, インターフェースからサービスがオンデマンドでロードされる状況が到来すると思っていてそこに web 開発者としての未来も見出しているが, そこでのサービスやデータの独立性, 多様性を俯瞰的観点から信じていてそれが最も強いルールになる, と現時点では思っている。
ただ GoogleApple は別の手応えを, IBM, Microsoft とシフトしてきた覇権や生き残りのロジックを探り当てているように思える。
 
web サービス型へのシフトという "はじまりのはじまり" が家電ではもう始まっている。既に iPod の大成功が歴史に刻まれているのだ。
きっと他でも自分が思う以上に, 思う以外の場所で, 日常的なサービスやデバイスの web サービス型へのシフトは始まっているに違いない。
しっかり観測していきたいと思う。