[ambient][web] Something in the Air
ってスゴく Ambient でイカしたキーワードだと思う。
Air = MacBook Air なんて釣り。Air = 多層的な環境&コンテクスト。
以下、恒例の妄想&深読み。
Something in the Air は Apple のビジョン
"Something in the Air" は「これからのn年で Apple がやる事」を端的に表した言葉じゃないだろうか。
ユーザが欲しいのはドライブのような物理装置ではない。
「必要な情報を溜めておける機能」や「(光学ディスクというレガシーデバイスに収められた)情報」や「バックアップ」だ。
iPod + iTunes はハードウェアとソフトウェア(web)の融合が製品価値となった初めての製品だった。
今度はそこに「Air」を足し込もうとしているんじゃないだろうか。
"Something" in the "Air"
Something とは何か。サービスの元となる資源だ。それは物理空間にある何かが情報空間に落とす影であり、あるいはネットワークによりリーチ可能なサービスや情報である。
今その空間に音楽が流れているなら、そこには「楽曲情報」というビットの影がある。TimeCapsule があればストレージサービスが利用出来るだろう。
Air とは何か。Air とはコミュニケータ(iPod、iPhone、MacBook)が利用可能な資源を捉えられる情報空間の概念的な範囲であり、ユーザにサービスを提供するために構成される資源の集合だ。
この街や家に漂う Something を増やしていくこと、Air をよりスマートにしていくことをAppleはテーマにしているのでは、と思う。
密で静的なPCモデルから、疎で動的なポストPCモデルへ
実際に Apple がやっているのは
- 重要度が下がるもの(光学ドライブ)
- 共有、reachability により価値が上がるもの
を満たすごく一部のサービスの Air 化だけだが、全く別の話として「もっと先」を語る事ができる。
それがサービス提供基盤の形態シフトだ。
そのときにどんなサービスが提供出来るかは、多くはハードウェアによって左右される。
スピーカーがあれば音が提供出来るし、ディスプレイがあればリッチな視覚情報が提供できる。
PCやPDAのような今までの静的(組替え不可能である)で密(ひとつの筐体に収まっている)なモデルから、
動的(ネットワーク内にある調達可能なモノから構成する)で疎(一定範囲内のネットワーク空間に存在する)なモデルへ。
等々
なんて事を言ってたら「それ、何て Sony?」って言われた。
Sony の方向性は知らないけど、そういえば Vaio って元々「つなぐ」を掲げてたんだよね。勿体ない。
でも Sony は Apple と違って「世の中はこうなるんだ」という明確なイメージと集中が見られないなぁ、、なんて思ってた。
Napster が無ければ iTunesMS は生まれなかったし、家電とソフトウェアの融合も誰かが先にやっていた気がする。
「ビットの影」によって機能だけを取り出しなめらかに繋がる世界を作ることも、Sony のデモで散々それを感じさせるものを見た。
Apple は大抵遅れて(自分たちのペースで)やってくる。でも、最も早く成功する。即ち、社会変化を作っている。
あ、そう。それから AppleTV もいいけど、AirTunes どうなったんだろう。
ディスプレイやスピーカーといった人間の五感に近いデバイスほど in the Air になると面白いのだけど。
大きな複合的なモノが集中的に機能する世界から、小さな単純なモノが分散的に機能する世界へ(コミュニケータ(エージェント)は例外的に複雑だろうけど)。
最近はますます、色んな場所でこんなトレンドを見ている気がする。
web の影響?ネットワークの発達によるインパクト?何なんだろう。
あと、ハードウェアが限りなく軽量(サイズ、製造コスト、開発コスト、reachability)になるなら、概念的にソフトウェアと区別しない方がいいのかも知れない。