雑感 Re: Campfire One: Introducing OpenSocial

(後で見直してばりばり編集&改変する可能性があります)

雑感

Campfire One: Introducing OpenSocial をメモを取りながら見ていた。


要点は TechCrunch にまとまっているものとほぼ同じ。


印象に残ったのは次の三つだ。

  • benefits .. to the developers, OpenSocial means distribution, distribution, distribution @4:40
  • if you know HTML, if you know JavaScript .. you know how to build Apps works on OpenSocial (うろ覚え)
  • live apps running on live code @orkut の中の人


まず distribution、distribution、distribution、
SN プロバイダの立場から見れば自分たちのプラットフォームをより豊かに魅力的にするために、アプリケーションデベロッパの引き込みが大切になる。ゲームハードがソフトを求め、OS がアプリケーションを求めるようなものだ。
そのためにメリットを挙げて SN プラットフォームへの参加を呼びかけており、メリットとは即ち OpenSocial 対応の SN プロバイダが抱える2億ユーザアカウントにバルクでアプローチ出来る、という事だ。


次に HTML と JavaScript を知っていれば、それだけでもうアプリケーションデベロッパになれるんだよ、という言葉。
SN アプリケーションのスキルセットは HTML と JavaScript(と CSS)だ。


最後に "live apps running on live code"、
SN アプリケーションはコードオンデマンドであり、インストールベース世代のアプリケーションと生態系が異なる。


もうちょっと深堀してみる。


OpenSocial によって「SN はアプリケーションプラットフォーム(アプリケーションの存立する基盤)」である事が明確になった。
個人的には、OpenSocial は web アプリケーション成立のための最後の1ピースであり、2007/11/01 を以て(本来あるべき or 次世代の)web アプリケーションについて具体的に hands-on 出来る段階になったと思っている。


SN とは何か、脇道に逸れるが少し再考してみよう。


web は元々「コミュニケーション」特性を備えている。
BBS、2ch、ニコ動、面白い web コンテンツはその昔から、どれもコミュニケーションが楽しさの核だった。
Orkut から始まった SNS の新しさとエッセンスは人間関係を bit 化する、人間関係の距離感にスケールを設定するの二点にあり、web が元から備えている「コミュニケーション」の楽しさをより明確に、より可能性の深いものに促進するものだったが、Orkut の次に起きた現象は(日本と英語圏ではまた違うけど)Orkut と同じパラダイムの中でクローンが生まれる水平的な転用とクローン内への既存機能(BBS や weblog)の再構築だった。
今までは例えるなら箱庭での実験段階、SN の実感がテクノロジの震源から離れた場所に行き渡るための猶予期間だ。
OpenSocial によってようやく Orkut の次が示されたと言える。両方とも Google というのが不満だが(SN 専業の他のプレーヤ達にこそ未来を内包してリーダーシップを取って欲しかった)。


閑話休題OpenSocial によって web アプリケーション全体のルールが再整備されようとしている。
ではどうなるのか。
まず、SN こそがアプリケーションの実行プラットフォームだと定まった。現状、SN を握るのは SN プロバイダであり、従って SN プロバイダこそが第一世代の web App プラットフォームである。
次に、SN プラットフォームで実行されるアプリケーションはインストールベースではなくコードオンデマンドである。また、アプリケーションサイズは実サイズ、ライフサイクルといった様々な意味合いに於いて「より小さく」なるだろう。


アプリケーションがどう生まれ、どう広まり、どう使われ、どう影響を与え変化し続いて行くのか、その辺りの変化に強く興味を覚えている。
種々様々な無数の役割とプロダクトがこの周辺には生まれるはずだ。


蛇足に、リンクメモ


1年くらい冬眠しているウチに色々新しくなったようで情報と感覚が時代に追いついていない感を自覚した。ちょっと焦っている。
新しいパラダイムは中にいなければ分からない、まず色々作ってみようと思う。

What's Next ?

ここからはより電波になるので章を切ってみる。


トレンドはローカル&インストールベースからweb&コードオンデマンドへ、
これは個人(社会生活)、デベロッパ(サービス提供者)、企業(企業活動、ビジネス)全員に関わりある大きな変化だ。


今後 hands-on して実際に使い、体験を経るうちに考えは変わるかも知れないが、(だからこそ)今まで持っていた SN へのビジョンを現状を加味して記してみる。


改めて記すと web アプリはコードオンデマンドスタイルで供給&実行される。実行プラットフォームは SN になる。
web という地球規模のひとつのプラットフォーム上で、Flickr や iLike のような web サービスがサービスコンポーネントを提供し、それを編み上げた glue コードが web アプリケーションとして無数に生まれオンデマンドで供給される、そんな世界が来るのではないかと思っている。


幾つか階段を踏みながら発展していくだろう。
web アプリケーションの作り手は最初はサービスプロバイダと既存の開発者から始まり、次にコミュニティやサイトを自分で立ち上げるようなユーザに移り、さらに小さくなって行く。
どこまで小さくなるかは、極端に言えば、Windows や Office が数億人スケールで年単位のライフサイクルを持つソフトウェアなら、web アプリケーションは SN(1 node、数十人)スケールの数分で消費される規模にまで小さくなれる。
yahoo pipesGoogle gadgets のような開発の敷居を押し下げる仕組み、また OpenSocialウィジェットGoogle Android のような Pervasive な実行環境の発達が開発者の裾野を広げて行くだろう。前者の仕組みに関しては、weblog が爆発的に web を豊かにしたように、決定的なオーサリングツールが出て欲しいと思っている。


実行プラットフォームを SN プロバイダでなく SN と書いた。
第一世代のプラットフォームは確実に SN プロバイダ、LinkedIn や Orkutmixi だが、既にその次を想像する事が出来る。
小さなアプリケーションが無数に存在するとその「選択」が鍵になる。
アプリケーションの利用単位である SN がそのときに求めているアプリケーションを適切に提供する機能と仕組みを持った、コンテキストを扱えるプレーヤこそが SN プロバイダの次に SN を握る第二世代のプラットフォームプレーヤになるだろう。
それらは SN プロバイダに取って代わるサービスではなく SN プロバイダと共存しながらより決定的な役割を果たすサービスで、少し違った方向からやってくる気がする。携帯や iPhoneGoogle Android かも知れないし、どこかの誰かが開発しているまだ見ぬ技術かも知れない。
より環境的である、人を騒がせない、エージェント指向、といった幾つかの想像は可能だ。


飛躍気味になってきたので話を変えよう。


まずサービス開発が変わる。
サービスコンポーネントを作成した後に、OpenSocial で動くようなポータブルな JavaScript クライアントを作成するようになるだろう。それを SNS で配布する。ここの仕組みづくりが SN プロバイダの最初のキモになる仕事だ。
OrkutSalesforce は既にサンドボックスを持ち、開発者に提供を開始している。
必要なのは開発環境、ホスティング環境、配布の仕組みづくりで、特に「配布の仕組み」は SN プロバイダの価値を左右する重大な要素で、SN プロバイダの飯のタネでもある。


残念ながら国内に SNS といえる SNSmixi しか無いのが現状で、mixi がどこまで頑張ってくれるか、greelivedoor がこの機を掴んでどれだけ追い上げてくれるかに期待がかかる。
mixi に関して言えば、国内での地位を回復しつつ、良い機会なのでこの辺でそろそろグローバル企業に化けて欲しい。
日本語圏に暮らす1開発者として、日本人の集まる、Orkut や hi5 といった英語圏のプレーヤと比べて遜色ないアプリケーション環境を提供出来る SN プロバイダが欲しいと思っている。日本語圏全体に関わる、かなり大切な事だ。
Google のようなローカル(各言語圏)にコネクトしたグローバルプレーヤに対し、よりなめらかな変化を起こせる SN プロバイダが国内に欲しい。


SN プロバイダもアプリケーションプロバイダも、企業ミッションが大事になる。
「私たちは何者か」を問いかけ、明確な答を用意し、適切な未来に投資する必要がある。
私たちは SN プロバイダ(プラットフォーム)なのか、アプリケーションプロバイダなのか。何がミッションなのか、そのために何を行い、何を行わないのか。


何をやるべきか、やらないべきか etc

  • 新しいサービスを立ち上げやすくなった。コールドスタート問題を解決出来る。
  • 逆に上記をサポートし、アプリケーションプロバイダと win-win を築くのが SN プロバイダの仕事
  • 国内は選択肢が少ない。mixi 一択か。寂しすぎる。
  • 単純な mixi クローンはもう不用(止めれないのは自分たちは何者かを見いだせていないから)
  • ユーザベースを抱えるサービスは、OpenSocial に乗ってプラットフォームになりサービスを豊かにするのか、アプリケーションプロバイダになるか、両方行くのか、選択が必要
  • 現在 SN でないユーザベースを抱えるところは SN プロバイダを検討するといい。yahoo から農協まで。
  • 現実世界がより面白くなる。
    • SN の現実利用: 中に 2 degrees 以内の人がいないと扉が開かない SN ドア、共同購入、チケット。単位を1ユーザから1SNへ。
    • 今「ノード接続を自分で行う(SN の登録)」、未来「データシャドーから SN を形成する」SN 対応バーで飲むと自動で bit 化される(コミュニティやノードが追加される)etc、環境型でバイスとの融合
    • 今「登録しておいた SN を使う」未来「コンテキストを元にデータシャドーから検索されたノードがその場で求まる」
  • OpenSocial 的な動きは前からあった。何故 google に出来て他に出来なかったのか
    • 政治力、デベロッパネットワーク、泥仕事、リーダーシップ
    • リーダーシップとは、自分の仕事に他者を参加させる力
    • グローバルな英語圏で存在感を作る必要がある。一人で仕事をせずに皆を巻き込む、リーダーシップ型の仕事が必要。
    • iTunesMS と OpenSocial で証明された。

そろそろ疲れてきたのでこの辺で。
あとはコードを書きたい。


ちなみに Google にとっては囲い込みなんてどうでもいい事だろう。
勝ち組や負け組といった話ではない。

"Google really care about making the web better for everyone"
"to make the web better by making it social"

Google企業価値イノベーションによって増えるようになっている。
OpenSocial の話に絞れば、AndroidGoogle Gadgets などが俄然存在感を増してくる。


以下、メモ書きの残り。

  • SNS 関連のビジネスに携わる人がまとまりエキサイトしてる。この一体感、皆でここに行くんだというパワーがいい。
  • 日本もそれにのっかれるのがまたいい(mixi
  • 良い意味での政治力と泥仕事
  • エンジニアの輪、エンジニア世界の中での影響力
  • 簡潔なキーワードを発展的につなげていく手法が耳に心地よかった。プレゼンうまいなー。
  • sandbox
  • インストールベースからコードオンデマンドへ
  • JS + HTML といってもまだ普通の人の手が届かない難易度
  • インターフェース周りがキモ
  • 次のSNS
  • Buzz な SNS ではなく、なんとなく隣に居る感
  • 利便性、変化
  • 一人の行動 -> 価値が波及し合うみんなで感とか
  • プロバイダの壁を越えてユーザが一元的に情報を扱う事は出来るのか, OpenSocial の次は
  • 直ぐに考えつくのは OpenSocial を使ってメタプロバイダを作る
  • FOAFのサーチサイトがあったが、あれと似ている
  • エージェントでそれをやればいいのか。Android
  • SNアプリはどこで実行されるのか
  • SNプロバイダ上にリッチなアプリケーションが花開くのではなく、本当の変化点はどこでそれが実行されるか
  • エージェント型
  • 日本がんがれ、mixi がやると行っているので期待
  • 現状、技術セットが英語圏と日本語圏で違う
  • 違うのが良い場合もあるが
  • 200M+のアカウント。日本の総人口を越えている
  • Campfire One の次のイベントには mixi も呼ばれて欲しい
  • SNプロバイダの仕事は次世代情報社会の設計
  • good small application
  • glue & interactivity