web2.0 の意味, Ajax の意味

自分は昨年から Ajax だ, web2.0 だと散々騒いできた。ただ一般に認知され始めた方向と少し意味合いの違う騒ぎ方をしたかった, というのを書いてみたい。

web2.0, Ajax といった単語にエキサイトしてる理由はそれが webalize された世界を指し示すとおもっているからだ。
webalize とは生活に密着した空間やデバイスに web が滑り込み, web の持つ機能や魔力が日常的なインフラとして機能することを意味する。
例えば Googleカーナビ, 最初の成功を収めたデジタル家電として語られた iPod がそうだ。
こういった webalize が繰り返されて, それはユビキタスの人達が描き上げている世界に近づくと思っている。
もっと言うと今ブラウザを通して使っているサービスやデータはその時その場所の然るべき空間やデバイスに宿る, 八百万の神っぽくなると思っている (単純化した例だと, 例えば iCal はカレンダーや時計に宿る)。

web2.0 はその初動だ。
どこまで行けるかは分からないが, web2.0 には上記の世界につながる色々な要素が含まれている。
web1.0web2.0 の最も大事な違いはそのサービスが "閉じている" か "開いている" か, にある。
例えば 2.0 的な検索サービスは Google や 米Yahoo! がそうであるようにデスクトップや google.* 以外の様々なドメインにインターフェースが存在しその機能を提供している。サービスの可動スコープが site-based (あるサイト内に固定された状態) から web-based (web 全体, over HTTP でもいい) に広がったのが分かると思う。
また可動スコープが site から web に広がる事で web アプリケーションのアーキテクチャもより REST 的になり外部とのインタフェースが大きく開ける。マッシュアップのようなサービスの相互利用 (考えてみればコレが出来なかった時代のなんと不自然なことか), クライアントの多様化が促される。

AjaxJavascript を取り立てて騒ぐのも, オープンなサービスを支えるアプリケーションアーキテクチャと極めて親和性が高いからだ。web1.0 から 2.0 にシフトする際にサービスのレイヤーフリー化 (サービス, データとユーザインタフェースが切り離され多数多様なインタフェースの上でデータ, サービスが流動的に作用する) が発生するが, そこを埋める&最大限に活用できるのが Javascript だ。
サービスとインタフェースが site-based で混在していた時代は HTML でよかったが, サービスが独立し C/S の関係性が web-based で成立する際の web ドメインに於けるクライアント技術は XML (XHTML, DOM, microformat, Atom, RSS etc..) + CSS + Javascript で考える必要がある (web 以外のドメインでは別の技術セットになるだろう)。

こういった新しい web については外側の人達 (web を本職としない人達) と話しているとよく刺激を受ける。
色んな面白いアイデアやプロトタイプがあって, 色んなものが web の進化を待っている。web は人々を結びつけ, あらゆるリソースをグローバルスケールでマッピングする素晴らしい仕事を成し遂げたが, まだその宝箱は檻の中にあって "もうしばらくお待ちください" の札がかかっているようなものだ。
色んな技術や物事の中で今の web は進化が遅れている/ボトルネックになっている/サボっていると思うこともある。

web2.0 の世界に進んでいくからこそ, web を離れた世界やその世界と web との境界であったり, 日常を踏みしめる事が大事だと思っている。
一年前は web サイトアプリケーションや web サイトサービスについて考えていたが, 今はより直接的に社会に作用するサービス - 生活とフィジカルスペースの中でサービスを考えるようになった。

web の行く先は間違いなく, Google カーナビのような現実世界との融合にあると思う (Google のサービスも全てはフィジカルスペース, 生活空間に協調的にマップされること前提で作られている気がする) 。
それを意識して "web2.0" というときに意味がある, そう思っている。